令和2年4月1日より,東京都の条例が改正され,東京都において自転車利用中の対人賠償事故に備える保険等への加入が義務化されます。
自転車は国民にとって,通勤や通学,買物など様々な用途で利用される交通手段で,我々の生活にも密着しています。しかし便利な反面,自転車に関連する事故の多発,一部の自転車利用者による危険な運転,歩行者等の妨げとなる自転車の放置等,社会的な問題となることも多くあります。また,電動自転車などの普及により,自転車事故は今までよりも身近に,今までよりも重症化するケースが多くなりました。
特に,これまでは自動車損害賠償保険等に加入されていない方も多く,重大な事故が起きた場合,その賠償額は1000万円以上にもなる場合があります。神戸地方裁判所において,男子小学生(11歳)が夜間,帰宅途中に自転車で走行中,歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突し,女性の意識が戻らない状態となった事案において,裁判所が,保護者に対して,約9500万円の賠償を命じた判決があります。(平成25年7月4日判決)
その社会的流れを受けて,全国の自治体では,自動車損害賠償保障等への加入義務化が拡大しています。これまでは2018年4月に埼玉県,2019年10月に神奈川県において,既に義務化が実施されています。
東京都において自転車を利用される方,未成年のお子様を持つ保護者,自転車使用事業者及び自転車貸付業者が対象になりますので,ご自身の自転車損害賠償保険の加入状況をチェックしておきましょう。
また,皆さんが既に加入している保険等にも,自転車損害賠償保険が附帯されている場合がありますので,この機会にご自身の保険を見直していただければと思います!