根保証契約に関する規定が改正されます!

前回の記事でも書きましたように,令和2年4月1日より,約120年ぶりに債権法が大きく改正されます。(前回の記事はこちら

本日は「個人根保証契約」に関する民法改正について一部ご紹介したいと思います。

 

根保証契約とは…?

根保証契約とは,一定の範囲に属する不特定の債務について保証する契約をいいます。例えば,保証人となる時点では,現実にどれだけの債務が発生するかがはっきりしない場合(アパートを借りる際,その賃料などを大家さんと保証人がまとめて保証する場合等)です。

これまでは,不特定債務に貸金等債務(金銭の貸渡しを受けることによって負担する債務)が含まれる根保証契約以外の場合,保証する金額が事前に分からないため,将来保証人が想定外の多額の債務を負う事例やその債務者の相続人の保証を強いられる事例が少なくありませんでした。

そこで以下のような規定が設けられるようになりました。

 

極度額の定めのない個人の根保証契約は無効!

個人が保証人になる根保証契約については,保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ,根保証契約は無効となります(改正民法465条の2)。この極度額は書面等により当事者間の合意で定める必要があります。また,極度額は具体的な金額が定めなければなりませんので,例えば「月額賃料の6ヶ月分」と定めた場合でも,賃貸借契約などの書面上に月額の賃料が明記されていない場合,書面上極度額が確定できないので,根保証契約が無効となる可能性がありますので,注意が必要です。

なお,この規定はあくまでも保証人が「個人」である場合ですので,「法人」の場合には適用がありません。しかし,根保証契約の保証人の「求償権」に対しての保証契約(求償保証)がされた場合,この求償保証契約が個人との間によるものである場合,元の保証契約に極度額の定めがなければ,同じく根保証契約は無効となります(改正民法465条の5)。

 

特別な事情がある場合に根保証契約は終了になります!

これまで,不特定債務に貸金等債務が含まれる根保証契約の場合には,特別な事情(保証人や主債務者の死亡・破産等)が発生した場合,その時点で元本が確定し,保証人が責任を負う範囲が確定していましたが,その他の根保証契約にはそのような規定がなかったので,特別な事情があった後も,個人保証人の責任が拡大していくという問題がありました。そこで改正後は,この規定が不特定債務に貸金等債務が含まれる根保証契約の場合以外にも一部拡大することになりました。具体的には,保証人が破産した場合,主たる債務者又は保証人が死亡した場合です。(改正民法465条の4)これらの事情があった場合には,その後に発生する債務は保証の対象外となります。

 

 

なお,令和2年4月1日以前に締結された保証契約の保証債務については,改正前のルールが適用されますが,それ以降保証契約を更新する場合は,改正されたルールが適用されますのでご注意ください!

 

根保証契約についてお困りの方は,当事務所へお問い合わせください!

 

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