「独身の兄が亡くなったみたいなのだけど、相続手続きはどうしたらいいの…?」
「自分はもう結婚する気はないけど、自分が亡くなった後の事は誰に任せたものか…」
「生涯独身だった身内の相続手続きも含めて、相続手続きについて相談したい…!」
このようにお悩みの方はいらっしゃいませんか?
昨今、生涯独身という方々は増えてきています。
特に、男女の未婚状況を示す「生涯未婚率」は令和4年時点で男性が20.1%、女性が10.6%となっており、平成になってからその数値は増加し続けています。(詳しくは、内閣府男女共同参画局生涯未婚率の推移を参照ください。)
いわゆる「おひとりさま」の方が増えると、実際にその方々が亡くなり相続が発生した場合には、近くに相続人がおらず、死後の手続きを行う方もおらず、結果孤独死が発生する、あるいは疎遠な相続人との相続手続きを行わなければならない等の問題が発生します。(相続人が孤独死した場合については、こちらの記事をご覧ください。)
ですから、生涯独身の方も老後安心して過ごしていくためにも、ご自身の財産の承継先を定めるため遺言書を作成したり、亡くなった後の事務手続きをしてもらう死後事務委任契約を締結する等の生前対策をしておくことが重要です。
以下では、独身の方が亡くなった場合の相続手続きと生前にできる相続対策について解説していきます。
このページの目次
独身の方が亡くなった場合の相続人とは
独身の方が亡くなった場合、そのときに親族の誰がご存命であるかによって相続人が変わります。
以下、具体的に見ていきましょう。
両親がご存命である場合
生涯独身の場合、配偶者も子供もいないため、両親が相続人となります。このとき兄弟姉妹が相続人となることはありません。
両親が亡くなっており、兄弟姉妹(甥姪)がいる場合
生涯独身だった方の両親が既に亡くなっている場合には、兄弟姉妹が相続人となります。また独身の方が亡くなったときに既に兄弟姉妹も亡くなっている場合には、代襲相続が発生し、甥や姪が相続人(代襲相続人)となることがあります。(甥や姪が相続人となる場合については、こちらの記事をご覧ください。)
相続人がいない場合
独身の方が亡くなったとき、既に両親も亡くなっており、兄弟姉妹や甥姪もいない場合には、相続人がいないため、独身の方の財産は国庫に帰属します。この場合、後述する「相続財産清算人」を選任することになります。
相続人がいなくなった場合の相続手続きについて
生涯独身で子供もおらず、財産を相続する方がいない場合、亡くなった方の財産は国庫に帰属しますが、当然に国庫に帰属するわけではありません。
まずは相続財産を相続財産管理人が代理人となって所定の手続きを行い、相続人の調査を行った後、特別の縁故のある方からの財産分与の申し立てがあればその方へ、なければここで国庫に帰属します。
以下、詳細を解説していきます。
① 相続財産清算人を選任する
相続財産清算人とは、相続人がいるかどうか分からない場合(相続放棄の結果、相続人がいなくなった場合も含みます)、家庭裁判所に申し立てて選任された財産管理人のことをいいます。相続財産清算人が選任されることによって宙に浮いた状態になっていた相続財産を債権者への弁済や特別縁故者への引き渡しをして清算し、残額があれば国庫へ帰属する手続きを行います。相続財産清算人はどのような場合でも選任できるわけではなく、特別の縁故を有する方や債権者等の「一定の利害関係人」が「必要のある場合」に限り、選任することができます。(相続財産清算人の選任については、こちらの記事をご覧ください。)
② 特別縁故者に対する財産分与の申立てをする
相続財産清算人の選任後、一定期間内に特別の縁故を有する者からの申し立てによって、独身の方の財産分与を請求することができます。これを「特別縁故者の財産分与の申し立て」といいます。特別縁故者とは、亡くなった方と生計を同じくしていた者、亡くなった方の療養看護に努めた者、あるいは亡くなった方と特別の縁故があった者をいいます。特別の縁故があると主張する者は、まず相続財産清算人の選任申立てを行い、相続財産清算人が相続人の捜索・相続財産の債権者への清算を行った後、自らへの財産分与の申立てを改めて行います。財産分与の審判の結果、申立人の特別縁故性と分与の相当性が認められると、相続財産の一部または全部が申立人に分与されることになります。(特別縁故者の財産分与申し立てについては、こちらの記事をご覧ください。)
③ 国庫に帰属する
相続財産清算人が債権者への公告や相続人の調査をし、特別縁故者の財産分与のための期間経過後、どなたからも請求がない場合には、独身の方の財産は国庫に帰属します。
独身の方が生前にできる相続対策とは
独身の方が生前にできる相続対策として、
① 遺言書を作成する
② 生前に贈与する
③ 民事信託(家族信託)をする
④ 生命保険を契約する
⑤ 死後事務委任契約を締結する
などがあります。
以下では詳細を解説していきます。
① 遺言書を作成する
相続が発生した場合、相続人全員で遺産分割協議をしなければなりませんが、独身の方が亡くなった場合、兄弟姉妹や甥姪が相続人となる場合が多く、また相続人同士が疎遠である場合が多く、遺産分割協議がスムーズにできなくなる可能性があります。そこで、独身の方ができる生前対策として、遺言書を作成することによって、遺産分割協議を経ることなく特定の方へ財産を承継させることができます(遺言書の作成については、こちらの記事をご覧ください。)。また身近な相続人や財産をお渡ししたい方がいない場合には、遺贈寄付を検討するのも一考です。
② 生前に贈与する
兄弟姉妹や甥姪を含めた遺産分割協議を避けるため、生前に希望する方へ財産を承継させるためには、生前のうちに贈与をする方法があります。ただし、贈与する財産の価額が110万円を超える部分については贈与税がかかりますので、注意が必要です。
③ 民事信託(家族信託)をする
信頼できる方にご自身の財産を託し、財産の管理や処分を任せ、亡くなった後の承継方法まで決めることができます。これを民事信託(家族信託)といいます。民事信託(家族信託)は本人の財産管理のために行うものですが、契約の中で柔軟な財産管理方法を決定することと同時に、亡くなった後の具体的な承継方法も併せて決めることができるため、兄弟姉妹や甥姪と遺産分割協議をすることなく、本人が希望する形で財産の承継を行うことができます。(民事信託(家族信託)については、こちらの記事をご覧ください。)
④ 生命保険を契約する
生命保険は相続財産とは扱われないため、たとえ遺言書の作成していなくても、兄弟姉妹や甥姪を交えた遺産分割協議を経ることなく保険金の受取人に定めた方へ財産を承継させることができます。
⑤ 死後事務委任契約を締結する
独身の方は財産を誰に承継させるかよりも、ご自身が亡くなった後のことを心配する方が多いです。そこでご自身の死後の諸手続きを信頼できる方に代わりに執り行ってもらうために、死後事務委任契約を締結しておくと安心です。(死後事務委任契約については、こちらの記事をご覧ください。)
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独身の方が亡くなった場合、そもそも亡くなったことが親族に伝わらず、孤独死をしていたり、中には疎遠な相続人もいたりするので、通常の相続手続きよりも難航する場合があります。
また結婚するつもりがないご自身でも、亡くなった後のことを誰かに任せられるように、生前のうちに色々と対策した方が遺された親族に迷惑をかけることなく、老後の生活を送ることができます。
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その他の相続手続き・遺産承継手続きについては、こちらの記事をご覧ください。