平成26年4月1日に施行された「公的年金の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」により、施行日から5年の間で解散した厚生年金基金が多く出てきました。
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厚生年金基金が解散されると、どうなるの?
厚生年金基金とは、国が行う老齢年金の一部の支給を代行し、これにプラスアルファ部分を上乗せして年金給付を行う仕組みです。(厚生年金基金については、こちらを参照してください。)
厚生年金基金が解散されると、国の代行部分の年金原資(最低責任準備金)は国に返還され、残余財産分配金が本人の選択により、他の年金制度へ交付・移換するか、加入員および年金受給者へと分配されることになります。
厚生年金基金の分配金を受取るには…?
解散した厚生年金基金の残余財産は、分配金額が確定後本人が他の年金制度へ移換した場合を除き、加入者及び年金受給者へと分配されることなりますので、厚生年金基金から送付されてくる書類等を適宜提出すれば、分配金を受け取ることができます(※)。
しかし本人が死亡した場合等、何らかの理由で直接受け取ることが出来なかった場合には、厚生年金基金令第45条により分配金が供託所へ供託されてしまうため、供託所に対して供託金の払渡請求をしなければ分配金(供託金)を受け取る(※)ことができなくなります。
※受取の際には一次所得・相続財産等として課税される可能性があります。
詳しくは国税庁へお問い合わせ下さい。
供託金払渡請求をするには…?
供託金の払渡請求をするには、管轄の供託所にて必要事項を記載した供託物払渡請求書と所定の添付書類と共に供託所に提出して行います。
具体的には、以下の添付書面が必要になります。
☑供託金払渡請求書
☑印鑑証明書(払渡請求日から3か月以内に発行されたもの)
☑【住所変更、氏名変更がある場合】変更証明書 (住民票・戸籍謄本等)
☑【被供託者が亡くなっている場合】相続を証する書面 (必要な戸籍等については、こちらの記事をご覧ください。)
※上記必要書類はあくまでも一例になります
供託金の払渡請求手続きは、厚生年金基金から送付されてくる書類等に必要事項を記入し、上記必要書類を適宜提出すれば、ご自身で行うことももちろん可能です。
しかし、必要な書類を集めたり作成したりすることが面倒な場合、司法書士に供託金の払渡請求手続きの代理業務を依頼することも可能でございます!
特に、被供託者が亡くなっている場合、通常の相続財産と同様、遺産分割協議を行なわなければ払渡請求手続きをすることができません。(一般的な相続手続きについては、こちらの記事をご覧ください。)
因みに、令和2年4月1日以前に厚生年金基金が解散し、分配金が供託所に供託された場合、供託された日から10年を過ぎてしまうと供託金払渡請求権が時効により消滅してしまいます。
供託された分配金があり、分配金を受け取るための面倒な手続きの代理をご希望の場合には、早めに当事務所へご相談下さい!
この他にも、供託された厚生年金基金の分配金の受け取りについてお困りの方は、是非一度当事務所へお問い合わせ下さい!