「父親が住んでいた自宅が空き家になっているのだけど、どうやって相続したらいいの…?」
「母親が住んでいた自宅が田舎にあるけど、放置したら何か問題があるの…?」
「空き家問題を含めて、相続手続きについて相談したい…!」
このようにお悩みの方はいらっしゃいませんか?
亡くなった方が住んでいた、あるいは所有していた建物が空き家になって残っている場合、これを何もせずに放置していると、①老朽化による倒壊の危険や②税金の過大な負担、あるいは③犯罪の温床になる等、大きなリスクがだくさんあります。
その一方で空き家を一旦相続してしまうと、①リフォームや解体工事等の費用がかかるや②固定資産税等の固定費がかかる、③売却できずに次世代にまで責任を負担させる等、相続人に大きな金銭的負担がかかるため、相続する際には慎重に決断する必要があります。
すなわち、空き家を相続するかどうかは、単に不動産の名義を変更するかどうかを検討するだけでなく、不動産の価値や売却の見込みがあるかどうか、相続したことにより発生する税金等の費用がいくらかかるかを総合的に判断し決定する必要があるため、司法書士をはじめ、税理士や不動産会社等の専門家に相談が必要となるでしょう。
そこで以下では、相続した空き家を放置するとどういうリスクがあるのか、いわゆる「空き家問題」をどのように解決すべきかについて解説していきます。
このページの目次
空き家問題の現状|相続時に知るべきデータ
平成30年に総務省が行った住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は840万戸を超えており、空き家率(空家数/総住宅数)は13.6%と非常に多くの家屋が空き家になっています。
また近年の国土交通省の調査(令和元年空き家所有者実態調査)によると、
・空き家の5割超が腐朽・破損している
・空き家の約4割が最寄りの鉄道駅から2000m以上離れており、立地が悪い
・空き家取得の際に、取得者の2割は登記申請すらしていない(不動産の名義変更については、こちらの記事をご覧ください。)
となっており、空き家を取得しても、経済的な理由や利便性の悪さから手をこまねいているのが現状となっています。
相続が発生した空き家を放置するリスク5選
相続が発生しているにもかかわらず空き家をそのまま放置している場合、相続放棄(※)をした場合を除き、たとえ名義の変更をしなかったとしても、相続人として負担すべき責任を負うことになります。
※相続放棄をしても、空き家を放置した責任を免れない場合がありますので、注意が必要です(相続放棄については、こちらの記事をご覧ください。)
以下では、相続が発生した空き家を放置するリスクを解説していきます。
① 近隣住民等に迷惑がかかる
空き家を放置すると、衛生が悪化し、悪臭や異臭の発生や野良猫・ネズミ等の発生、ゴミの不法投棄等により、近隣住民等に被害が及ぶ場合があります。状況が悪化した場合には、近隣住民等からの損害賠償を請求される場合もありますので、注意が必要です。
② 老朽化し倒壊する危険がある
建物は老朽化すると、見た目や印象が悪くなるだけではなく、腐朽した屋根や壁、あるいは倒壊することにより、周辺の建物や通行人に危害を及ぼす可能性があります。老朽化した空き家を放置した結果、第三者に被害者を及ぼした場合には、空き家の名義変更をしていなかったとしても、相続人に損害賠償責任が生じますので、注意が必要です。
③ 犯罪等の温床となる
空き家になった家屋に人が近寄らなくなると、放置された空き家に犯罪者やホームレスが侵入し、そこを拠点とされる可能性があります。また老朽化した家屋に放火される危険性もあります。こちらも第三者に損害を与えた場合には、相続人に責任追及される可能性があります。
④ 不動産価値が下落する
使われなくなった空き家を放置することにより、建物は劣化しやすくなるため、放置すればするほど不動産価値は下落してしまいます。また放火の対象や犯罪の温床となった家屋は事故物件として、通常価格よりも大きく下落する可能性があります。相続した空き家の売却をお考えの場合には、早急に売却手配を検討する必要があるでしょう。
⑤ 「特定空き家」に指定される
2015年に成立した「空き家対策の推進に関する特別措置法」により、一定の要件を満たす家屋が「特定空き家(※)」に指定されることになりました。この特定空き家に指定されてしまうと、自治体により立ち入り調査を求められたり、命令や強制執行などにより改善するよう求められたりするようになります。また特定空き家に指定され、さらには自治体より勧告されてしまうと、通常よりも固定資産税(通常の約4倍程度)や都市計画税(通常の約2倍程度)がかかるようになるため、注意が必要です。
※特定空き家とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいいます
※令和5年12月13日に空き家対策特別措置法が一部改正され、そのまま放置されれば特定空き家になる「管理不全空き家」に対し、特定空き家同様、地方自治体より指導・勧告を行うこととしました
固定資産税がかかり続ける
不動産は所有しているだけで固定資産税がかかります。仮に空き家を亡くなった方の名義のままにしていたとしても、相続人に空き家の固定資産税の納付義務がありますので、何もしない限り税金を手出しで払い続けることになります。
「空き家問題」を解決する方法4選
上記リスクを抱える空き家問題を解決するための方法は、下記の通りとなります。
① 空き家バンクを利用する
空き家も立地によって直ぐに買い手がみつかる場合もありますが、場合によっては買い手を探すのも苦労する可能性があります。その場合に利用したいのが「空き家バンク」です。空き家バンクは自治体等で取り組む空き家売却のためのサービスで、登録することによってその空き家に興味を持った方へ連絡することができるようになります。
② 空き家管理サービスを活用する
空き家は放置すると問題が多く発生しますが、その問題を発生させないよう管理してくれるのが、空き家管理サービス会社です。サービス内容は各会社によって異なりますが、費用を払うことによって当面の問題は起こらないよう、家屋を維持させることができます。
③ 空き家を収益不動産化する
家屋は人が住まなくなると、どんどん劣化してしまうので、空き家を最低限リフォーム工事し、そこに客付けすることによって、毎年支払う固定資産税の原資に充てることができるようになります。その際にはリフォームにかかる代金と得られる賃料・家賃等を鑑みて、利益が出るよう利回りを調整する必要があります。
④ 空き家を売却する
空き家を実際に売却することができれば、空き家に関する全ての問題から解放されることになります。空き家近くの不動産会社に相談し、査定をお願いしてみると良いでしょう。なお空き家は要件を満たすことによって、譲渡所得の特別控除を利用できる可能性もありますので、少しでも売却を検討するようであれば、早めに行動することをオススメします。
相続した空き家を売却するための流れについて
最終的に空き家を相続し、売却を決断した場合には、以下の流れで売却を進めていきます。
① 空き家の名義変更を行う
空き家を売却する場合には、まずは不動産の名義を相続人に変更する必要があります。亡くなった方の名義のまま売却手続きを行うことはできませんので注意が必要です。登記完了後には名義人となった相続人に新たな登記識別情報通知が発行されるため、空き家売却の際に使用します。
② 不動産会社等に空き家売却の手配を依頼する
上記①の後、もしくは①と同時に相続した空き家の売却を手配いただける不動産会社を検討します。空き家売却の成功のカギを握るのは、空き家売却を専門とする不動産会社を探せるかどうかにかかっておりますので、ここの手順が最も重要であるといえるでしょう。
③ 売買契約の締結を行う・売買代金を受領する
売却相手が見つかったら、その相手方と売買契約を締結し、その後売買代金を受領します。空き家の売却の際には、通常不動産の売買契約の際に手付金を受領し、その後数週間後に残代金を受領することがあります。最終的に売買代金全額を受け取るまでには売買契約締結後1か月程度かかる場合がありますので、相続税の納税を売買代金で行うことを検討している場合には注意が必要です。
④ 売買の名義変更(登記申請)を行う
相続した空き家の名義変更と同様、空き家の売却の際にも買主へ名義変更する必要があります。立会いを行う司法書士の指示に従い、①で発行された登記識別情報通知の他、名義人である方の印鑑登録証明書(発行日より3か月以内)を用意し、登記書類(委任状・登記原因証明情報等)に実印で捺印します。
上記の他にも、土地の測量が必要になる場合や隣人からの通行承諾等が必要になる場合があります。
想定通りに手続きが進まない場合もありますので、空き家の売却の際には早めに専門家に相談することを強くオススメします。
その他、相続した不動産で困らないための注意点については、こちらの記事をご覧ください。
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空き家の相続手続きは、登記の名義変更はもちろんのこと、実際に買い手が見つかるのか、売却の際にいくらの費用や税金がかかるのか等、空き家問題を解決するためには、司法書士や税理士、不動産会社との連携が必須となります。
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