「再婚相手の連れ子は相続人になれないの…?」
「離婚して、前の妻との子と連れ子が揉めることは避けたい…」
「再婚相手の連れ子への相続も含めて、専門家に相談したい…!」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
平成28年度厚生労働省の「婚姻に関する統計」によると、「夫妻とも再婚又はどちらか一方が再婚」は上昇傾向にあり、平成 17年には 25%を超え、平成 27 年は 26.8%となっており、離婚や再婚することが珍しい状況ではない以上、再婚相手に連れ子がいることも少なくない状況といえます。
しかし再婚相手の連れ子は、法的には相続人にはなりませんので、仮に連れ子に死後財産を引き渡したいと考えていたとしても、何もしなければ財産を連れ子に渡すことはできません。
一方で連れ子に対して何らかの方法で安易に財産を渡すようにすると、元々の相続人との間で思わぬトラブルを発生することになりかねません。
そこで以下では、再婚相手の連れ子に相続させる方法と注意点について解説していきます。
このページの目次
再婚相手の連れ子は相続人になるのか
再婚相手とは婚姻関係にありますから当然相続人になりますが、その連れ子は相続人にはなりません。
ですから、たとえ相続が発生したとしても、原則再婚相手の連れ子に相続財産が渡ることはありません。
以下、具体例をみていきましょう。
【事例】
亡くなったAには前妻Bとの間に、子Cがいました。
再婚相手のDには連れ子Eがいました。
Aは生前に、Eと養子縁組をすることはありませんでした。
この場合、Aの相続人は再婚相手のDとCであり、Eは相続人とはなりません。
再婚相手の連れ子に財産を渡す方法
再婚相手の連れ子に自分の財産を渡すには、以下のような方法があります。
遺言書を作成する
再婚相手の連れ子は相続人にはならないため、自分の死後財産を渡すには、遺言書を作成し、「連れ子に遺贈する」旨の遺言書を作成する必要があります。(遺言書の作成については、こちらの記事をご覧ください。)
連れ子と養子縁組をする
自分の死後に財産を方法として、遺言書の作成の他には「連れ子と養子縁組をする」方法があります。養子縁組をすると、連れ子は養子となり「嫡出子(婚姻中の夫婦の間に生まれた子供)」と同様の関係になりますので、他の相続人と遺産分割協議を行うことにより、相続財産の全部または一部を取得することができるようになります。
連れ子に対して生前に財産を贈与する
自分の死後ではなく生前に財産を渡す「生前贈与」をすれば、ご自身の意思で連れ子に対して財産を引き渡すことができます。ただし、財産の価額次第では多額の贈与税がかかることになりますので、注意が必要です。
再婚相手の連れ子に関する諸問題
再婚相手に連れ子がいる場合、下記のような問題が生じることがあります。
前夫・前妻の子と遺産分割協議をする場合
遺言書の作成により、あるいは養子縁組をすることにより、再婚相手の連れ子に相続権の一部を持つことになった場合、前夫・前妻との子供と遺産分割協議を行わなければなりませんが、関係が疎遠である場合が多いため、遺産分割協議が思うように進まない場合があります。
再婚相手と離婚した場合
再婚相手と関係が上手くいっている場合には、生前あるいは死後に財産を渡すよう手続きをしていても問題は生じませんが、再婚相手と離婚し関係が悪化した場合には、その連れ子との関係も悪化する可能性があり、後々財産の承継で揉める場合があります。
例外的に連れ子が財産を承継できる方法
上記のような方法によらずとも、再婚相手の連れ子が例外的に財産を承継できる場合があります。
特別縁故者の財産分与申立
亡くなった方に相続人がおらず、残された身内が亡くなった再婚相手の連れ子のみであった場合、その連れ子が生前献身的な介護・療養看護をおこなっており、いわゆる「特別縁故者」に相当する者と認められれば、相続財産の全部または一部を承継することができます。(特別縁故者については、こちらの記事をご覧ください。)
特別寄与料の請求
再婚相手の連れ子は相続人ではありませんが、配偶者の実子ということで親族(三親等以内の姻族)にはなります。そこで亡くなる前に自身の労務の提供・療養看護を無償で行うっており、相続財産の維持・増加に貢献していた場合には、「特別寄与料」を請求することできる可能性があります。(特別寄与料については、こちらの記事をご覧ください。)
当事務所へご相談ください
再婚相手の連れ子がいる場合、相続発生後関係者とのトラブルが発生する場合もあるので、決して自己判断せずに司法書士などの専門家にアドバイスを仰ぐべきでしょう。
再婚相手の連れ子がいる場合の相続手続きを含めて、相続・遺産承継手続きについてお悩みの方は、是非当事務所へご相談ください!
その他の相続手続き・遺産承継手続きについては、こちらの記事をご覧ください。