相続した不動産の売却完全ガイド|流れ・税金・高く売るコツを司法書士が解説

「母が亡くなって実家を売却したいけど、相続登記は必要なの…?」

「相続した不動産の売却には、どんな費用や税金がかかるのか知りたい…」

「相続した不動産の売却を含めて、相続について専門家に相談したい…!」

このようなお悩みをお持ちではありませんか?

相続した不動産を売却する場合には、まずは亡くなった方の名義になっている不動産の名義を相続人へ変更する必要がありますが、その後の不動産会社への査定・媒介契約の締結、実際の売却代金の受取、税金の申告等、様々注意するべき点があります。

特に不動産の売却代金を相続税の支払に充てなければならない場合には、相続税の申告・納付期限である相続開始を知ったときから10か月以内に不動産を売却しなければならないため、スケジュールにも注意する必要があります。(相続税の計算方法や申告期限については、こちらの記事をご覧ください。)

このように、不動産の名義から売却に至るまで、手続きや売却の手配、税金の申告までを一括してスムーズに行うためには、なるべく早めに税理士・不動産会社と提携している相続専門の司法書士へ相続した不動産の売却について相談する必要があるといえるでしょう。

そこで以下では、相続した不動産を売却するときの流れと注意点について詳しく解説していきます。

 

相続した不動産を売却する方法と流れ

相続した不動産を売却する場合、以下の流れで手続きを進めていきます。

① 不動産の名義変更を行う(相続登記)

売却する場合には、亡くなった方の名義のまま売却をすることはできず、不動産の名義を相続人に変更する必要があります。

登記完了後には名義人となった相続人に新たな登記識別情報通知が発行されるため、それを不動産売却の際に使用します。

なお、相続人への名義変更は完了するまで約2週間から1か月程度かかりますので、不動産の売買代金を相続税の支払に充てる場合には、スケジュールに注意しましょう。

② 不動産会社に査定を依頼して売却を進める

相続人への名義変更が完了、あるいはある程度目途がたったら、相続した不動産の売却を手配いただける不動産会社を検討します。

その際には、依頼した不動産会社と(専任)媒介契約を締結し、相続人が希望する価格を提示いただける買主を決定してもらいます。

なお、不動産の売却相手を手配しているとき、未だ名義変更が終了していない場合には、不動産会社には現在相続人への名義変更を行っている旨をお伝えし、法務局から発行される登記申請の受領証を渡してあげるとよいでしょう。

司法書士に不動産の名義変更を依頼している場合には、その司法書士より登記申請の受領証(あるいは「受付のお知らせ」)を不動産会社へ渡すよう依頼しましょう。

③ 売買契約の締結を行う・売買代金を受領する

不動産の売却相手の決定後、その相手方と売買契約を締結し、その後売買代金を受領します。

不動産の売却の際には、通常①不動産の売買契約の際に手付金を受領し、その後数週間後に①残代金を受領(残金決済)することがあります。

最終的に売買代金全額を受け取るまでには売買契約締結後1か月程度かかる場合がありますので、相続税の納税を売買代金で行うことを検討している場合には注意が必要です。

④ 売買の名義変更(登記申請)を行う

相続した不動産の名義変更と同様、不動産の売却の際にも買主へ名義変更する必要があります。

立会いを行う司法書士の指示に従い、①で発行された登記識別情報通知の他、名義人である方の印鑑登録証明書(発行日より3か月以内)を用意し、登記書類(委任状・登記原因証明情報等)実印で捺印ます。

上記の他にも、相続した不動産が戸建ての場合、隣接した土地の所有者との境界確定やや隣人からの通行承諾等が必要になる場合があります。

場合によっては想定通りに手続きが進まないこともありますので、相続した不動産を売却して手続きを行う場合には早めに専門家に相談することを強くオススメします。

 

相続した不動産を売却するときの注意点

相続した不動産の売却をスムーズに進めるためには、不動産売却に必要な手続き(名義変更・不動産会社の手配等)を把握する他、事前にどのような費用が発生するかを把握する必要があります。

以下では、相続した不動産を売却するときの注意点について解説します。

① 相続人のうち誰の名義に変更するかを検討する

相続人が複数人いる場合、相続した不動産を売却する前提として相続人全員の名義に変更する必要があります。

しかし、実際に不動産を売却する際に不動産会社との媒介契約や売却相手との売買契約の締結を行わなければならず、相続人が高齢あるいは遠方に住んでいる等の事情でそのような契約ができない場合が考えられます。

そこで相続した不動産を売却して代金を相続人全員で分配することが前提であれば、便宜上相続人のうちの一人に名義を変更し、その売買代金を相続人全員で分配することができます。これを換価分割といいます。(換価分割については、こちらの記事をご覧ください。)

このような方法であれば、相続人全員で名義人となることなく、相続人の一人で手続きができるため、検討すべき場合があります。

② 不動産の査定価格が適切かを検討する

相続した不動産がいくらくらいで売却できるのかは、相続人全員で遺産分割協議をするうえで非常に重要になります。

そこで信頼できる不動産会社に査定価格をもらい、その不動産を売却した場合、いくらくらいの代金を取得できるのかをシミュレーションします。

このときに査定価格を鵜呑みにすることなく、ご自身でも不動産の固定資産評価額路線価を調べることによって、査定価格が適切かを確認するようにしましょう。

なお査定価格は一社だけにお願いするのではなく、場合によっては複数社にお願いすることも検討すべき場合もあります。

③ 不動産売却に際して発生する費用を把握する

相続した不動産を売却する際には、以下のような費用・諸経費が発生します。

以下、詳細を解説していきます。

ⅰ)戸籍謄本等の収集費用

まずは相続した不動産の名義を相続人に変更するために、戸籍謄本等の請求をしていきます。

その際に実費として、1万円前後かかります。(相続人の数によって変動します)

ⅱ)司法書士への報酬(不動産名義変更)

不動産の名義変更を司法書士へ依頼する場合、司法書士への報酬が発生します。

司法書士の報酬は事務所によって異なりますが、概ね10万円から15万円前後かかります。

ⅲ)土地家屋調査士への報酬(測量)

不動産の売却を行う際、隣地境界線の確定が必要な場合、土地家屋調査士による測量が必要になります。

土地家屋調査士への報酬も司法書士の報酬と同じく事務所によって異なりますが、50万円から70万円程度かかる場合があります。(※)

※事案の難易度によって大きく異なる場合がありますので、あくまでも目安となります

ⅳ)解体費用・残置物撤去費用

相続した不動産の解体や残置物撤去を行う必要がある場合、解体業者あるいは残置物撤去費用がかかります。

不動産の解体や残置物撤去の費用はかなり幅がありますので、かかる費用を比較して業者の選択をする必要があります。

なお、不動産の買主が不動産業者の場合、現状有姿(物件を意図的にそのままの状態で引き渡すこと)で売買されることも多いため、その場合には解体費用・残置物撤去費用は買主負担になるので、相続人が負担することはありません。

ⅴ)不動産会社への仲介手数料

相続した不動産の売却を不動産会社へ依頼した場合、不動産会社への仲介手数料が発生します。

不動産会社への仲介手数料は法定されており、原則 取引物件価格×3%+60,000円+消費税 がかかります。

ⅵ)税理士への報酬(相続税等申告)

相続した結果、相続税の申告や相続税の支払いが必要になり、相続税申告書の作成を税理士に依頼した場合、税理士への報酬が発生します。

また、相続した不動産を売却した場合、譲渡所得税が発生する可能性があります。

売却翌年の確定申告時期に、譲渡所得税の申告も行いますが、申告をご自身でできない場合には、その際にも税理士への報酬が発生します。

④ 不動産売却に関連する税金を把握する

相続した不動産売却に関連して、以下のような税金を支払う必要があります。

以下、詳細を解説していきます。

ⅰ)登録免許税

相続した不動産の名義を相続人に変更する際、登録免許税を納付する必要があります。

また、不動産の売却の際にも同じく登録免許税が発生しますが、原則買主が支払うケースが多いため、相続人が負担することは少ないでしょう。

ⅱ)印紙税

相続した不動産を売却する際、不動産売買の契約書に収入印紙を貼付し、印紙税の納付をする必要があります。

契約書を複数作成する場合や買主と折半して契約書を1部作成する場合等、相続人が負担する割合や額が変わる可能性があります。

印紙税の一覧はこちらをご覧ください。

ⅲ)相続税

相続財産が相続税の基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告が必要になります。(相続税の計算方法や申告期限については、こちらの記事をご覧ください。)

なお、不動産の売却を相続税の申告期限前に売却した場合、小規模宅地の特例が使えない等、発生する相続税の額が変わるので注意が必要です。

ⅳ)譲渡所得税・住民税

相続した不動産を売却した場合、売買代金から取得費を引いた金額(譲渡所得)に対し、譲渡所得税・住民税が発生します。

譲渡所得税・住民税の申告の際に、相続した不動産を売却する際の特別控除がありますので、相続した不動産を売却する際は、相続税専門の税理士へ相談し、発生する税金のシミュレーションをすると良いでしょう。

 

相続した不動産の名義を変更する方法とは

相続した不動産の名義を変更する方法は、亡くなった方が遺言書を残しているか・いないかによって変わります。

亡くなった方の不動産を誰に相続させるかどうか遺言書に書かれている場合には、相続人全員もしくは遺言執行者が不動産の名義を変更する必要があります。(遺言書がある場合の相続手続きについては、こちらの記事をご覧ください。)

そもそも遺言書がない場合には、以下のとおりに不動産の名義変更を行う必要があります。

①戸籍謄本等の収集

まずは相続人全員でもれなく遺産分割協議を行うため、戸籍謄本等の収集を行う必要があります。

戸籍謄本等とは、

①亡くなった方の出生から死亡までの除籍・改製原戸籍等

②亡くなった方の住民票の除票(戸籍の附票の除票でも可)

③相続人全員の現在戸籍、④不動産の名義人となる相続人の住民票・印鑑証明書

のことをいい、各市区町村長の役所で集めていきます。(戸籍謄本等の収集については、こちらの記事をご覧ください。)

ご相談からご依頼に至るまでの流れ

②不動産情報の確認

相続対象不動産を全て把握しているのか、相続対象不動産がそのまま承継させていい状態なのかを調査するため、不動産の現在情報を確認します。

不動産情報を確認するためには、管轄の法務局で登記簿謄本を取得するか、あるいは登記情報提供サービスを利用して登記情報を取得して確認します。

ご相談からご依頼に至るまでの流れ

③遺産分割協議書の作成

不動産の名義変更を行うためには、相続人全員で遺産分割協議書を作成して管轄法務局に提出する必要があります。

遺産分割協議書には、不動産の所在等を正確に記載する必要があります。(遺産分割協議書については、こちらの記事をご覧ください。)

ご相談からご依頼に至るまでの流れ

④必要書類の提出

上記戸籍謄本等や遺産分割協議書を含めた必要書類等を、相続対象不動産を管轄する法務局へ、登記申請書・登録免許税の納付と併せて提出します。

(登録免許税については、こちらを参照してください。また登録免許税の計算方法については、こちらの記事をご覧ください。)

不動産の名義変更登記を申請するための必要書類等は以下の通りです。

・戸籍謄本等一式(法定相続情報一覧図があれば、代用可能です)
・相続関係図
・遺産分割協議書
・相続人全員の印鑑証明書
・不動産を相続する方の住民票の写し
・(代理人に依頼する場合)委任状

相続した不動産の名義変更は、必要書類の収集だけでなく、登録免許税の計算や場合によっては、その他にも申請しなければならない登記(住所変更登記や抵当権抹消登記 等)があるため、司法書士への依頼を強くオススメします!

 

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相続した不動産を売却する場合には、単なる名義の変更だけではなく、売却金額はいくらになるのか、どのくらいの税金・費用がかかるのか等、相続手続全体を含めて、司法書士や税理士、不動産会社と連携して解決すべき場合があります。

ですから、当事務所としては相続した不動産の売却を検討しているお持ちのお客様こそ、相続手続きに精通し、税理士・不動産会社との連携を密にしている相続専門家へのご依頼をオススメしております。

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