相続登記をするときの登録免許税の計算方法について

「親が亡くなって自宅の名義を変更しなければならないけど、費用はどのくらいかかるの…?」

「相続登記をするためには登録免許税を払わなければならないと聞いたけど、どうやって払ったらいいの…?」

「登録免許税の計算方法も含めて、相続手続きについて相談したい…!」

このようにお悩みの方はいらっしゃいませんか?

相続が発生して自宅などの不動産の名義を変更するためには、登録免許税という税金を納めなければなりません。

しかし、登録免許税には一定の計算方法があり、場合によっては登録免許税を免税される場合もありますので、注意が必要です。

以下では、相続登記をするときの登録免許税の計算方法について解説していきます。

 

登録免許税とは

登録免許税とは、不動産をはじめ船舶、航空機、会社、人の資格などについての登記や登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定、技能証明について課税される税金をいいます。

特に相続が発生したときに不動産名義を変更するために支払う登録免許税は、不動産の名義を受ける方が支払う義務を負い、不動産登記の事務をつかさどる登記官署の所在地に納付します。

 

登録免許税の計算方法について

相続登記を行う際に払わなければならない登録免許税を計算するには、①計算するための資料を用意し、②その資料から課税の根拠となる課税標準額を計算し、③課税標準額から登録免許税を計算していきます。

以下では計算方法の詳細を解説していきます。

 

① 計算するための資料を用意する

まずは登録免許税を計算するための根拠となる固定資産評価額が書かれている書類を用意します。具体的にいうと、毎年4月くらいに納税者に通知される課税明細書を使用します。稀に法務局によっては、市区町村の公印が押されていない書類でないと登記申請の添付書類として認められない場合があり、その際には固定資産評価証明書を別途取得します。

 

② 課税標準額を計算する

課税明細書や固定資産評価証明書の「価格」や「評価額」と記載されている箇所を根拠に課税標準額を計算します。課税標準額は、価格や評価額の1000円未満の端数を切り捨てた額を登録免許税を計算する根拠とします。不動産の評価額が1000円未満となる場合には、課税標準額は1000円となります。

 

③ 登録免許税を計算する

上記②で求めた課税標準額に一定の税率をかけて登録免許税を計算します。相続を原因とする名義変更の場合には、課税標準額に0.4%(4/1000)をかけた金額が登録免許税額となります。求めた税額の100円未満の端数は切り捨てて、その額を納付します。登録免許税額が1000円未満の場合には、原則登録免許税額は1000円となります。

 

以下、上記計算方法を参考にして、具体例を見ていきましょう。

土地の評価額が4321万9876円 建物の評価額が654万2314円の場合

①まずは土地と建物の評価額の合計金額を計算します。(43,219,876+6,542,314=49,762,190円

②続いて、上記金額の1000円未満を切り捨て、課税標準額を計算します。(49,762,190円⇒49,762,000円)

③最後に②で求めた課税標準額に税率0.4%をかけて登録免許税を計算します。なお、100万円未満は切り捨てます。(49,762,000×0.4%=199,048円≒199,000円

 

登録免許税の納付方法について

上記の計算方法により求めた登録免許税は相続登記の申請時に納付することになりますが、その納付方法は

①現金で納付

②収入印紙で納付

③オンラインで納付

があります。

以下では詳細を解説していきます。

 

①現金で納付する

登録免許税は原則、現金で納付します。金融機関や税務署に出向き、登録免許税の納付書に必要事項を記入し、登録免許税を支払います。そこで交付された領収書を登記申請書類等に綴って法務局に提出します。

 

②収入印紙で納付する

現金納付の代わりに収入印紙で納付することもできます。不動産の評価額によっては登録免許税が高額になる場合がありますので、収入印紙を購入する際には大きめの郵便局で登記申請前に準備しておきましょう。(※なお、法務省のホームページでは、30,000円以下の場合に収入印紙での納付が認められている、との記載がありますが、30,000円を超える場合でも納付できるので、申請前には管轄の法務局で確認してみてください。)

 

③オンラインで納付する

インターネットバンキングを利用したり、ATMを利用したりすることによって、オンラインで登録免許税を納付することもできます。しかし、インターネットバンキングを利用する場合には、登記申請をオンラインで行う必要があります。(オンラインで納付する方法についてはこちら

 

登録免許税が免税になる場合

相続登記を申請する場合には、一定額の登録免許税を納付しなければなりませんが、特定の場合には、登録免許税が免除になる場合があります。

また、登録免許税を免税にするためには、注意しなければならないことがあります。

以下では詳細を解説していきます。

 

①相続登記をしないで死亡した場合の土地の相続登記

個人が相続(遺贈も含む)により土地の所有権を取得した場合において、その個人が相続(遺贈)による土地の所有権移転の登記を受ける前に死亡した場合には、登録免許税が免除されます。上記例に基づくと、父親Aが死亡し、遺産分割協議により妻Bが甲土地を相続したにもかかわらず、相続登記しないままBが亡くなったときは、未登記のままにしてあったAからBへの相続登記については登録免許税が免税となります。なお、Bから子Cへの登記については登録免許税がかかり、AからBへの相続登記は省略できません。

 

②不動産の価額が100万円以下の土地の相続登記

土地の相続(遺贈も含みます)による所有権移転登記を受ける場合において、不動産の評価額が100万円以下であるときは、土地の所有権移転登記については、登録免許税が免税となります。不動産が持分の場合には、その不動産の評価額に持分の割合をかけて計算した金額が100万円以下である場合には、登録免許税が免税となります。

 

③登録免許税を免税にするための注意点

1)適用期間がある

上記免税を受けることができるのは、平成30年11月15日から令和7年3月31日までの間となります。(ただし、本条項ができてから期限は更新され続けています)

 

2)法令条項の記載が必要

上記免税を受けるためには、免税の根拠となる法令条項を申請書に記載する必要があります。未登記土地の相続登記の免税については、「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」となり、土地評価額が100万円以下の場合の免税については、「租税特別措置法第84条の2の3第2項により⾮課税」と記載する必要があります。

 

3)土地の相続登記のみ

上記免税が対象とするのは、あくまでも土地の相続登記のみであって、建物の相続登記については、免税の措置はありません。

 

当事務所へお任せください!

相続登記を申請するときには、登録免許税を納める必要がありますが、計算方法を間違えてしまうと、補正として税金を納めなおさなければならなかったり、何か月もかけて税金を還付する手続きをしなければならなかったりします

ですから、登録免許税の計算は注意深く行う必要があります。

相続登記をするときの登録免許税の計算方法も含め、相続手続きについてお悩みの方は、当事務所までお問い合わせください。

その他の相続手続き・遺産承継手続きについては、こちらの記事をご覧ください。

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