相続した不動産を手放したい!相続放棄とその他の方法を徹底解説

「亡くなった父親が住んでいた実家の不動産を手放したいのだけど、相続放棄をした方がいいの…?」

「田舎の土地は要らないけど、亡くなった母親の財産全てを相続放棄するのはもったいない…」

「相続した不動産を手放す方法も含めて、相続の専門家に相談したい…!」

このようなお悩みをお持ちではありませんか?

相続した不動産を手放す方法のひとつとして、「相続放棄」があります。

相続放棄とは、相続財産となる資産や負債などの一切の権利義務を引き継がずに放棄することをいいます。

相続放棄をすれば要らない土地や処分が難しい、いわゆる「負動産」を相続することはなくなるため、不動産にかかる固定資産税や管理費用の負担を避けることができます。

しかしその一方で、不動産を含めた亡くなった方の財産の一切を相続することができなくなるため、相続放棄をする前に「本当に相続放棄が最適なのか」を慎重に検討する必要があります。

ですから、要らない不動産を売却する、あるいは「相続土地国庫帰属制度」を利用して土地を国に引き取ってもらうなど、相続放棄以外の方法と比較したうえで決めることが大切です。(相続土地国庫帰属制度に関する法務省のホームページはこちら

こうした不動産の相続に関する判断は複雑になりがちなため、相続放棄も含め最適な方法を見つけるためにも、司法書士など相続専門家に相談するのがおすすめです。

そこで以下では、相続した不動産を相続放棄するメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

 

相続不動産を手放すなら?相続放棄のメリット・デメリット

相続不動産を相続放棄する場合、メリットとデメリットがございます。

以下、詳細を解説していきます。

相続放棄のメリット

① 固定資産税や管理費の負担がなくなる

不動産を所有していると、それだけで固定資産税や管理費を支払う必要があります。

相続放棄をすれば、不動産の権利を一切放棄する代わりに、負担すべき義務を免れることになりますから、不動産にかかる固定資産税や不動産管理会社へ支払う管理費、マンションの修繕積立金などを支払う必要がなくなります。

② 生じる不利益やリスクを回避できる

不動産を放置していると、その不動産で起こる不利益(放火や犯罪の温床 等)が発生する可能性があります。

相続放棄をすることによって、上記のような不動産から発生しうる不利益やリスクを免れることができます。

③ 他の相続人との争いを未然に防ぐことができる

相続人が複数いる場合、相続人全員で遺産分割協議を行ったうえでその不動産の所有者を決定します。

相続人間で話し合いがまとまれば問題ありませんが、相続人間で意見の食い違いがあり話し合いでは解決できない場合には不動産は相続人間の共有となり、最悪の場合には遺産分割の調停・審判により解決せざるを得ないこともあります。

そういった争いを事前に避けるには、相続放棄をすることも一考です。

 

相続放棄のデメリット

① 相続財産を全て放棄しなければならない

相続放棄を行うと、相続財産の一切を放棄することになります。

不動産のみを相続放棄することはできませんので、その他の財産を相続する場合には、相続放棄をすることはできません。

② 一度相続放棄すると原則撤回できない

相続放棄は一度行うと、原則撤回することはできません。

ですから、要らない不動産を相続放棄しようとして、後から多額の財産が発見されたとしても、相続することはできません。

③ 親族間のトラブルが発生する可能性がある

相続放棄を行うと、放棄した方は始めから相続人ではなかったことになり、次の順位に相続権が移ります。

ですから、たとえば父親の相続を放棄した場合、父親の両親・兄弟に相続権が移ることになりますので、後々親族間でトラブルになるケースがあります。

 

相続放棄以外の解決策!不動産を手放す3つの方法

相続放棄を検討する方の中には、「不動産だけを手放したい」という方も多いですが、上記のとおり、相続放棄をすると相続財産の一切を放棄することになるため、不動産のみを放棄することはできません。

そこで以下では、「相続放棄をせずに不動産を手放す方法」について解説します。

方法① 「相続土地国庫帰属制度」を利用する

相続不動産が土地である場合、一定の要件を満たせば、その土地を国庫に帰属させることができます、これを相続土地国庫帰属制度といいます。

この制度を利用することによって、相続(または遺贈)した土地を自ら管理または譲渡等処分することなく、その所有権を国に帰属させることができますが、①法務大臣による要件審査・承認を行うとともに、②土地管理費相当額の負担金を納付する必要があります。(相続土地国庫帰属制度については、こちらの記事をご覧ください。)

方法② 近隣住民に引き取ってもらう

上記①の方法では、少なからず管理費相当額をしなければ処分できず、また場合によってはそもそも国がその土地を引き取ることができないこともあります。

そこで、実際に使用している近隣住民の方と交渉して、その土地引き取ってもらう方法があります。

相手方が個人の場合、大きな金額で取引することは期待できないかもしれませんが、少なくとも大きな金額を支払って処分しなくてもよい可能性があります。

方法③ 不動産会社等に売却する

上記①および②の方法でも処分が難しい場合には、処分するのに困難な不動産を取扱うことのできる不動産会社等へ売却して、現金化する方法があります。

ただ、このような不動産を取り扱ってくれる不動産会社をご自身で探すことはなかなか難しいこともあるでしょう。

その際には、処分の難しい不動産を取扱ってくださる当法人提携の不動産会社様を紹介することもできますので、お気軽にお声掛けください。

 

相続放棄は最適解?判断基準と注意点

相続財産の中に不動産がある場合、本当に相続放棄をすべきかについては判断に困ることもあるでしょう。

相続財産の中に不動産がある場合に相続放棄をすべきかについては、不動産の処分が可能かどうか(不動産の処分性)について、しっかりと調査する必要があります。

その一方で、たとえ不動産の処分性があったとしても、財産の調査を行った結果、負債が圧倒的あるいは相続する手間の方がかかる場合には、相続放棄を選択した方がよい場合もあります。

以下では、相続放棄を選ぶべきケースとしない方がよいケースについて解説していきます。

相続放棄を選ぶべきケースとは?

① 不動産も含めて明らかに負債が多い場合

不動産がたとえ多少の価値があったとしても、亡くなった方が借金を背負っている等、負債が圧倒的に多い場合には、相続することで不利益を被ることになります。

この場合には、詳細な財産調査を検討することなく、不動産も含めて全ての財産を相続放棄することを検討してもよいでしょう。

② どうやっても処分できない不動産がある場合

いくら不動産があったとしても、どうやっても売却あるいは処分できない場合には、そのまま相続してしまうと後々の相続人にまで処分できない不動産の負担を強いることになります。

このような事態を避けるため、他の財産も放棄する代わりに、不動産も相続放棄することも一考といえるでしょう。

③ 他の相続人とのトラブルを避けたい場合

不動産を他の相続人と共同で引き受けることによって、場合によっては今後長期間争う、あるいは精神的に負担がかかる時間を過ごすことも予想されます。

このように他の相続人との話し合いや遺産調停等の裁判手続きによるトラブルを避けたい場合には、相続放棄を検討することも考えるべきでしょう。

 

相続放棄をしない方がよいケースとは?

① 負債よりも財産がある場合

上記相続放棄を選ぶべきケース①とは反対に、多少の負債があったとしても、不動産を含む財産の方が多い場合には、相続放棄をするのではなく、財産を相続することを検討すべきです。

ただし、実際に相続する際には、負債が予想以上にある場合も考えられますので、信用調査等の財産調査を入念に行い、慎重に手続きを進めていくべきでしょう。

② 相続放棄をしても責任を免れない場合

相続放棄をしていたとしても、相続放棄のときにその財産を占有している場合には、次順位の相続人や相続財産清算人に対して引き渡すまでの間、自己の財産と同一の注意をもって、その財産を保存しなければなりません。(民法940条1項)

ですから、相続した不動産に実際に住んでいる、あるいは不動産管理会社へ管理を委託している場合には、相続放棄をしても責任を免れないので注意が必要です。

③ 不動産が売れるかどうか分からない場合

相続放棄をした場合には、今後一切の財産を相続できなくなりますから、最終的に相続放棄を選択したとしても、一度はその財産価値を調査しておくべきでしょう。

司法書士法人あかつき総合法務事務所では、当法人提携の不動産会社様に不動産の無料査定を依頼することも可能です。

不動産の査定も、司法書士法人あかつき総合法務事務所へお気軽にお問い合わせください!

 

相続放棄の手続き方法と必要な書類について

「相続放棄をするには、どこに何を提出すればいいの…?」

このようにお悩みの方はいらっしゃいませんか?

相続した不動産を含めて相続放棄をしたい場合には、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、相続放棄申述書と戸籍謄本等を期限内に提出する必要があります。

以下、詳細を解説いたします。

相続放棄の申立先と期限について

相続放棄は、①亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、②自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に行う必要があります。

特に期限については、財産調査や必要書類収集に時間を要する場合には、早めに準備する必要があります。

なお、上記期限を延長することもできますので、調査等に時間がかかる場合には検討することをおすすめします。(相続放棄ができる期間の伸長を求める場合については、こちらの記事をご覧ください)

相続放棄の必要書類と費用について

相続放棄を行うためには、相続放棄申述書の他に、亡くなった方の住民票の除票戸籍謄本等の書類、800円の収入印紙数百円の郵便切手が必要になります。

相続放棄が無事に受理された場合には、その証明書(相続放棄受理証明書)を1枚150円で発行することができます。

その他相続放棄については、こちらの記事をご覧ください。

 

相続放棄の判断に迷ったら司法書士法人あかつき総合法務事務所へ!

「相続放棄をした方がいいか判断できないので、相続の専門家に相談したい…!

このようなお悩みをお持ちの方は、是非一度司法書士法人あかつき総合法務事務所へお問い合わせください!

司法書士法人あかつき総合法務事務所へ依頼するメリット

司法書士法人あかつき総合法務事務所では、これまで下記のような相続放棄を受理させてきた実績がございます。(※事例はプライバシー保護のため一部改変しております)

事例1)債権者からの通知書で初めて相続発生を知った場合

異母姉妹が亡くなり、その事実も知らなかった弟が、賃貸住宅の管理会社から通知書が届き、姉が亡くなったこともそのとき初めて知った。

そのとき既に自己のために相続開始があったことを知ったときから3か月が経過していたため、急いで相続放棄を行い、その後無事に受理された。

事例2)相続人の知識不足で自己に相続開始があったことを「知らなかった」場合

一年に一回程度しか連絡を取っていなかった姉が亡くなったことを姉の同居人から聞かされて知っていたが、姉には夫がいたため自分には相続権がないだろうと放置していた。

しかし、その亡くなった姉の夫から弟も相続権を持つことを聞かされたが、そのとき既に自己のために相続開始があったことを知ったときから3か月が経過していた。

そこで急ぎ相続放棄を行った結果、無事に受理された。

事例3)他の相続人が相続放棄を行っていたため、自分も必要であることを「知らなかった」場合

兄弟(長男・長女・次男)のうち、長女のみが相続放棄を行い、それを聞いた長男・次男は自分たちは相続放棄をする必要がないと勘違いをしていた。

その後、やはり自分たちも必要であることを聞かされ、そのとき既に自己のために相続開始があったことを知ったときから3か月が経過していたが、急ぎ相続放棄を行った結果、無事に受理された。

当事務所のサポート内容と料金について

司法書士法人あかつき総合法務事務所では、相続放棄申述書の作成はもとより、戸籍謄本等の収集や債権者への通知書の作成に至るまで、お客様のご要望に応じてサービスを提供しております。

相続放棄の料金については、こちらをご覧ください。

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

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