クリニック・病院の債権回収の注意点と回収の流れ

債権回収の注意点とは?

未払いの診療報酬の多くは1万円を下回る低額のものが多いです。

しかし低額であるからといってそのまま放置してしまうと、患者さんの支払意欲も低くなり、回収できる可能性はますます低くなります。

またインプラント等の高額な歯科治療や、保険診療ではなく自費診療で行った場合などの高額なものになると、患者さんが支払う金額が大きくなります。

患者さんの中には資力がなく、診療報酬を払えないという場合もございます。

このように、患者さんの事情によっては、医療機関様やクリニック様ご自身で債権回収を行うのはかなり難しい場合があります。

さらに診療報酬の消滅時効は通常の債権と違い、時効が3年(※)であるため、手をこまねいていると時効により債権が消滅してしまいます(民法170条)。

患者さんからの支払いがない場合は、迅速に債権を回収していく必要があります。(時効に関する注意点については、こちら

(※)2020年4月1日以降に発生した債権に関しては、時効が5年となります。

 

債権回収の流れとは?

まずは患者さんに対して、請求書を送付するところからスタートします。

未払いの診療報酬の金額が少額であればあるほど、また未払いの期間が短ければ短いほど、この段階で回収できる可能性は高まります。

しかし、請求書を送付するだけで支払われる場合ばかりではないため、請求書を送付しても支払われない場合は、内容証明郵便にて催告・請求をしていきます。

内容証明郵便とは、「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」を郵便局が公的に証明してくれる郵便です。

普通郵便による催告よりも、クリニック・病院様の強く明確な意思を伝えることができるため、患者さんに対してより強い心理的プレッシャーを与えることができます。

患者さんからの任意の支払いが難しい場合は、支払督促少額訴訟通常訴訟と裁判所を通して手続きをしていくことになりますが、ある程度の費用と時間が必要になってしまいます。

ですから、どのような手続きを取るか、実際訴訟を提起するかどうか、回収する債権の金額と患者さんからの支払状況を考慮して、じっくりと検討する必要があります。

訴訟に勝つと、患者さんの財産を差押えることもできるようになります。

しかし差押えに関しても、ある程度の費用と時間が必要になりますし、実際に患者さんに目ぼしい財産がないことも多いため、ケースによっては差押えが功を奏しない場合もございます。

いずれにしても、債権回収を行うためには法的な知識や経験がないと難しいため、司法書士などの専門家に依頼した方が安心です。

未払いの診療報酬の回収に関してお困りの方は、是非当事務所へご相談ください!

 

その他債権回収に関する注意点については、こちらをご参照ください。

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