「大事な車をいち早く直したい!」
「大事な車に傷をつけられて,相手に修理費を請求したい!」
「頼れる専門家を探したい…!」
そのように思って実際に修理に出し相手に請求しようとしても、全額の修理費用を払ってもらえるかどうかは、ケースによって異なります。
修理費の考え方として、自動車の復元修理(損傷した部品を取替え、修理することによって事故直前の状態に戻すこと)が原則で、そこには性能・安全性・耐久性・美観の回復と、経済性の確保が含まれていますが、その全てを網羅した額が賠償額として認められるわけではありません。
その中で自動車の板金修理などの修理費が争点となる場合、① 損傷の範囲 ② 修理方法 ③ 修理作業の範囲 ④ 修理費用が問題となります。
このページの目次
① どこまで請求できるの?
交通事故によって自動車が損傷した場合、同然のことながら「その事故によって生じた損害」しか請求できません。
ですから、事故と関係ない損傷(別事故)までを含めて修理に出してしまうと、実際には認められないので、注意が必要です。
別事故かどうかを区別する(整合性判断)には、自動車に生じた傷の高さ、幅、長さ、形態、錆の有無、付着物の有無や種類などから傷を生じさせたもの(自動車など)と傷の入力方向などを見ていきます。
実際に訴訟になった場合には、これらを証明する写真等が必要になりますので、できるだけ早い段階で用意をしておいて下さい。
②③ どうやって修理するの,どこまで修理できるの?
自動車の損害として認められるのは、必要かつ相当なものに限られます。
ですから安全性の問題などから、ぶつけられたから損傷した部品を取り換えてほしいとしても、板金修理(※)で対応ができる場合は、その交換の必要性が認められることはほとんどありません。
また損傷部分を補修塗料する場合、「補修の色合いが新車時と違う」「色合わせが難しい」など、できれば塗装の範囲を広くしたり自動車全体に広げたりしたいとしても、認めらるケースはごくまれで、部分塗装に要する費用の限度で損害と認められる場合がほとんどです。
請求する前に修理に出す場合には注意が必要です。
※部品・鋼板パネルの曲がりや歪み、変形などを修正する作業
④ いくら請求できるの?
修理費の額を算定するには、「作業時間(作業工程)」×「工賃単価」を見ていく必要があります。
交通事故で損傷した部品を板金修理・補修塗装する作業はケースによって異なるので、「損傷の大きさ」「損傷の程度」「作業のしやすさ」などを考慮して標準的な作業手順による標準的な仕上がり品質の作業工数を選択する必要があります。
工賃単価に関しても工場によって値段に差があることから、各種広告やインターネットの価格比較サイトなどによって料金を比較することが重要です。
また、事故当時の自動車の時価と事故車両の売却金額との差額(いわゆる買替差額)に諸費用を加えた金額を上回る場合には、経済的に修理不能(いわゆる経済的全損)とされ、損害として認められるのは買替差額と諸費用だけとなります。
相手方や相手方の損害保険会社から提示される金額は、実際の修理費用よりも低いことが多いので、同じく料金をインターネットなどで比較しながら修理費用の相場を調べておく必要があります。
繰り返しになりますが、請求できるのはあくまでも必要かつ相当なものに限られるので、修理を依頼する際は注意しましょう。
交通事故事件の場合、修理費の額について当事者の主張が真っ向から対立していることが少なくありません。
ですから、双方納得せず示談で解決しない場合は、訴訟手続き(裁判)を行うことになります。
訴訟手続きはお客様ご自身で行うことも可能ですが、お客様がお持ちの書類等(交通事故証明書・現場写真・領収書 等)や専門的な知識をもとに、相手方とやりとりをしなければならないため、司法書士などの専門家に依頼した方がこちらに有利な賠償額を得る可能性が高くなります。
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